スーツケースはハードがいいのかソフトがいいのか。スーツケース選びに迷う人は多いようです。かくいう私も例外ではありません。これまでずいぶん迷ってきました。
でも、メリットデメリットをそれぞれ挙げてみると、なんだかすっきり。いまでは自分なりの結論をもとにスーツケースを選んでいます。短所長所を総ざらいしてみるのはおすすめですね。以下、私の考察内容です。
フレームタイプのメリット・デメリット
まずはハードケースから。ハードケースはフレームタイプとファスナータイプの2種類があり、それぞれに特徴があるので、分けてメリット・デメリットを紹介します。
<フレームタイプのメリット>
- 頑丈
- 「壊されにくい」ように思える
- いかにも「旅行」という風情がある
- シールやステッカーを貼って自分なりのカスタマイズする楽しさがある
- 有名・人気ブランドが多い
- 色やバリエーションが豊富なので選ぶ楽しさがある
- デザイン性に富んだ製品が多い
- レンタルスーツケース店でも品揃えが多い
- 雨が降っても内部に水が染み込みにくい
- ぐちゃぐちゃに大量に詰めても上から押さえつければなんとか閉まる
さて、ここで問題になるのは2の「壊されにくい」です。フレームタイプのスーツケースは一般的に壊されにくくて、安全度が高いとされていますが、私はこれにはちょっと疑問を持っています。だから「壊されにくい」ように思える、と書きました。
壊されて中身を取られる恐れがあるというのは、もうハードでもソフトでもほとんど同じ確率だと思うんですよ。「盗ってやろう」という悪意の前には、スーツケースの形状なんか関係ない。前にスーツケース専門店の方に取材したときもそういうお答えでした。
なので、「壊されにくい」というのはイメージみたいなものなのですが、もし自分がフレームタイプの方がなんとなく安心、と感じるならそのカンを大事にするのが一番いいと思います。イメージって大事なので。
<フレームタイプのデメリット>
- 重い
- 全部開けないと中身を取り出せない
- 開閉時には寝かせないといけないので、場所を取る
- フレームが壊れると(歪むと)開閉できなくなる
1については最近のフレームタイプはずいぶんと軽量化していますが、ファスナータイプと比べると若干重さはあるでしょうか。
フレームタイプの面倒くさい点は2と3ですね。よいしょとスーツケースをいったん寝かせないと中身を取り出せないので、ホテルの部屋が狭かったりすると大変です。
なお、4のデメリットはよく指摘されている点なのでここでも挙げていますが、私はもうずっと長いこと使っていて一度もフレームが壊れる経験はしていないです。フレームが歪むのはレアケースだと思います。
ファスナータイプのメリット・デメリット
<ファスナータイプのメリット>
- 比較的軽い
- 中身をちょっとだけ取り出したいときには(フレームタイプよりは)便利
- いかにも「旅行」という風情がある
- シールやステッカーを貼って自分なりのカスタマイズする楽しさがある
- 有名・人気ブランドが多い
- 色やバリエーションが豊富なので選ぶ楽しさがある
- デザイン性に富んだ製品が多い
- レンタルスーツケース店でも品揃えが多い
3〜8はフレームタイプと共通するメリットです。
1で「軽さ」を挙げましたが、いまはフレームタイプの軽量化がかなり進んできているので、軽さはファスナータイプの大きなアドバンテージとは言えなくなっていると思います。本当に軽さを追求するなら、やはり後述するソフトケースの方が優れているのではないでしょうか。
ファスナータイプがフレームタイプより優れている点としては、2の「モノの出しやすさ」。もっとも、取り出したいモノをどこに入れたのかがわかっていないと、ファスナーをちょっと開けて取り出すというのは至難の業。私自身の経験としては、結局、ファスナーを全部開けないとモノを取り出せなかったということが多いです。
モノの出し入れという機能性だけで考えるなら、フレームタイプもファスナータイプもどちらもあまり優れているとは言い難い。ここはソフトケースの出番でしょう。
<ファスナータイプのデメリット>
- ファスナーが壊れやすい(気がする)
- 簡単にファスナーを開けられてしまう(気がする)
- 雨が降ると内部に水が染み込む可能性がある
1と2でともに「気がする」と書いたのは、そうそう壊れないと思うからです。確かにファスナータイプはボールペンさえあければこじあけることができますが、やられるときにはどんなタイプのスーツケースもやられます。
でも、「容易に開けられそうでイヤ!」と思うならフレームタイプの方がいい。旅行は楽しい気持ちで出かけるもの。持ち物だって楽しい気分で選んだ方がいいです。不安なイメージが少しでも頭をかすめるなら、そのイメージに従ってスーツケース選びをした方が後悔がないと思うのです。
ソフトケースのメリット・デメリット
さて、次はソフトケースの短所長所をまとめてみましょう。
<メリット>
- 軽い
- 価格がハードよりも安い(モノが多い)
- ポケットなど便利な工夫がたくさん
- 片面開きなので場所を取らずに開閉できる
- キズがつきにくい(目立ちにくい)
- 柔軟性があるので、たくさんモノを詰めやすい
ご覧のように機能性に優れているのがソフトケース。使い勝手がいいんですね。
多少、たくさんモノを詰めても生地が柔軟なのでぷくっと膨らんだままとじることができるし、外にポケットも付いているのでちょっとしたモノを出し入れするときには重宝します。
<デメリット>
- ファスナーが壊れやすい(気がする)
- 簡単にファスナーを開けられてしまう(気がする)
- ナイフを使えば生地を切ることができる
- 外部からの衝撃が内部に伝わりやすい
- 雨が降ると内部に水が染み込む可能性がある
- 二輪なので移動性が落ちる
1〜4については言い出すときりがない難点なので、私はさして気にしていません。
一番気になるのは5でしょうか。2輪はやはり4輪と比べると移動性が今ひとつ。すいすいとスーツケースを移動させたいなら4輪タイプのハードスーツケースの方に軍配が上がります。
何を優先させるかで選ぶスーツケースが決まる
さて、それぞれにメリット・デメリットをまとめてみて、私は以下のような結論を出しました。
- デザイン性重視 → ハードケース
- 軽さ重視 → ソフトケース
- 頑丈性 → ハードケース
- カスタマイズ重視 → ハードケース
- 機能性重視(使いやすさ) → ソフトケース
- 旅の趣重視 → ハードケース
- 移動性重視 → ハードケース(4輪)
- 価格重視 → ソフトケース
- ブランド重視 → ハードケース
- 選ぶ楽しさ重視 → ハードケース
自分が何を優先させるか、何に重きを置くかで選ぶスーツケースが変わってくると思うのです。
例えば、いかにも丈夫で頑強なタイプを何よりも重視するならハードケースが一押しです。その後に、少しでも軽いのがいいのであればハードケースの中からファスナータイプを選べばいいのではないでしょうか。
いや、私は絶対機能性を重視したい、省スペースのモノがいいというのであれば、ソフトケースの方がいいと思います。でも、殺風景なデザインじゃなくて旅の風情が少しでも感じられるモノを追い求めるなら、ソフトケースの中からそうしたデザインのものを選ぶわけです。
最優先させたい要素からまず大枠(ハードかソフトか)を決め、そこから二番目、三番目に重視する要素に合致するタイプを選んでいくと、理想に近いスーツケースが見つかると思います。
旅の種類ごとにスーツケースを使い分ける方法も
私は旅の種類によって優先事項が違います。
- 初めて出かける場所で比較的長期(10日間とか)の旅行 → 旅の趣重視
- たびたび訪れている場所で短期間(3〜4泊)の旅行 → 機能性重視
初めて訪れる旅先ってテンションあがりますよね。そういう場所に行くときにはいかにも「海外旅行」ってな印象のスーツケースで旅立ちたい。なので、1の場合はハードタイプのスーツケースで出かけます。
フレーム、ファスナーについては私はフレーム派ですが、それは荷物をいっぱい詰めた後にフタを締めて上から抑えつけるあの行為が好きだから。あれも「旅行」気分を演出してくれる気がするんですね。バカみたいですが。
2は香港や台湾など何度もリピートしている場所に行く場合です。こういう旅行では、いつもさほど大きくないホテルを利用しているので、省スペース性を考慮して機能性に優れたソフトケースで出かけています。
そもそもあまりによく行っているから、旅の情緒はいまいち薄い。だからソフトケースで十分!という気分です。
ちなみに一度、レンタルしてみるのもオススメです。私も以前は旅行のたびに、下のお店のようなレンタルスーツケースを利用していました。有名ブランドものを使ったりもしました。
で、そのときにハードケースの良さを実感して、「これだったら買った方がいいな」と思い直し、長期旅行用にハードケースを購入した次第。結局、ブランドにはこだわらなくなりましたね。
スーツケースレンタルは日本最大級の品揃え【アールワイレンタル】使ってみないとなかなか良さはわからないので、ハードしか使ったことがないという人はソフトを、ソフトしか使ったことがないという人はハードを一度体験してみると、メリット・デメリットが実感できると思います。お気に入りのスーツケースを見つけて良い旅を!
コメントを残す