海外旅行に持っていきたいクレジットカードはどれか? 検索するとそれはもう詳しい情報がたっくさん出ています。でも実際に使ってみてその効果を実感したという人はどれぐらいいるのでしょう。
決していいことではないですが、今回、我が家はその効果を実感しました。ダンナさんが旅行先で10日間ほど病気で入院したためです。カードを持っていて良かったと心から思いました。切実でリアルな体験から、海外旅行でおすすめのクレジットカードを紹介します。
目次
3枚のカードの組み合わせが良かった!?
まずダンナがどのようなカードを持っていたのかを紹介しましょう。
- デルタ スカイマイル アメリカン・エキスプレス ・ゴールド・カード 年会費2万6000円
- エポスカード 年会費 無料
- MileagePlusセゾンカード 年会費 1500円
病気になることを考えてこれらのカードを持っていたわけではなかったのですが、結果的にはこの組み合わせが非常に良かったといえます。
死亡や後遺障害の場合、クレジットカードの保険は合算できませんが、今回のうちのダンナのような疾病、それから傷害のときには複数のクレジットカードの保険を合算できるんですよ。
以下、それぞれの良い点を挙げてみます。
医療費の支払いはキャッシュレス!デルタ スカイマイル アメックスゴールド
このカードの海外旅行保険の内容は以下の通り。
<自動付帯> *旅行代金をこのカードで支払っていない場合
- 傷害死亡・後遺傷害 最高5000万円
- 傷害・疾病治療費用 最高200万円
- 賠償責任 最高4000万円
- 救援者費用 最高300万円
- 携行品損害 最高50万円(免責3,000円、年間 最高100万円)
<利用付帯> *旅行代金をこのカードで支払った場合
- 傷害死亡・後遺傷害 最高1億円
- 傷害・疾病治療費用 最高300万円
- 賠償責任 最高4000万円
- 救援者費用 最高400万円
- 携行品損害 最高50万円(免責3,000円、年間 最高100万円)
今回、うちのダンナさんは旅行代金をこのカードで決済していないので(私が買った)、自動付帯の金額が適用になります。つまり、疾病治療費は200万円。利用付帯だと100万円高いのに…とちょっとくやみました。
200万円という金額は他のカードと比べて高いわけではありませんが、非常に優れた点があります。年会費が2万6000円もしますからね。コールセンターへの電話がつながりやすいのです。待つことはほとんどありません。
加えて、途中からは(入院の前に何度か通院しているので)メディカル専用の番号を教えてもらいました。ここにかけると同じことをしゃべらずに済むんですよ。「◯◯様ですね。ではこの間の◯◯病院に連絡を入れておきます」と応対してくれて、病院に行っても手続きはスムーズ。薬代も含めてすべてキャッシュレスです。
あと、このカードは配偶者、生計を共にする親族であれば、海外旅行保険家族特約もつきます。で、この金額がでかい。
<海外旅行保険家族特約 自動付帯>
- 傷害死亡・後遺傷害 最高1000万円
- 傷害・疾病治療費用 最高200万円
- 賠償責任 最高4000万円
- 救援者費用 最高300万円
- 携行品損害 最高50万円(免責3,000円、年間 最高100万円)
家族にもこれだけの保障を用意しているクレジットカードはそうないのでは? 妻の私が旅行先で病気になった場合、彼のカードの保険も使えれば治療費の上限はかなり上がります。
まとめてみましょう。
- 傷害・疾病治療費用は自動付帯の場合で200万円とさほど高くない
- ただし電話がつながりやすい
- 病院ではキャッシュレスでOK
- 家族にもかなりの保障がつく
年会費は高いですが、持っておいてよかったと思えるカードです。
無料なのに傷害・疾病治療費用がこんなにあるエポスカード
エポスカードというのは丸井が発行しているカードです。年会費無料なのですが、これがすごい。
<自動付帯>
- 傷害死亡・後遺障害 最高500万円
- 傷害治療費用 200万円
- 疾病治療費用 270万円
- 賠償責任 2000万円
- 救援者費用 100万円
- 携行品損害(免責3,000円) 20万円
上記のように、自動付帯で疾病治療費用が270万円まで保障されます。これって、さきのデルタ スカイマイル アメックスゴールドの200万円よりも多い金額ですからね。なんという太っ腹でしょうか。
ダンナはアメックスのカードの方をメインに使っているので、病院にかかるときにはまずアメックスの方に電話を入れてキャッシュレス診療にしましたが、エポスカードもキャッシュレス診療は可能。すごいです。
まとめてみましょう。
- 年会費無料なのに疾病傷害治療費は270万円までOK
- しかも自動付帯だから、このカードで旅行代金を決済していなくてもいい
- キャッシュレス診療も可能
エポスカードはすぐに発行できるし、お金もかからないし、海外旅行に行くのなら必ず持っておきたいカードだと思いました。
損害保険会社が同じだったMileagePlusセゾンカード
3枚目のMileagePlusセゾンカードの海外旅行保険の内容は以下の通りです。
<自動付帯>
- 傷害死亡/後遺障害 3000万
- 傷害治療 300万
- 疾病治療 300万
- 賠償責任 2000万
- 携行品損害 30万
- 救援者費用 300万
自動付帯で傷害・疾病治療が300万円なのはうれしいですが、年会費が1500円かかってます。
今回、MileagePlusセゾンカードを持っておいてよかったと思ったのは、引受保険会社がデルタスカイマイルアメックスゴールドと同じだったからです。
クレジッドカードの旅行保険には、それぞれ引受保険会社がついています。今回、ダンナの入院期間が長引き、個室やICUに入ったため、実は治療費総額がデルタスカイマイルアメリカン・エキスプレス・カードの自動付帯の疾病治療費を超える恐れがありました。
ところがカード会社から電話があったときに、他にどのようなカードを持っているのかを聞かれ、エポスカードとMileagePlusセゾンカードだと答えたら、MileagePlusセゾンカードは同じ引受保険会社なのでもし超えたら合算手続きはこちらでしますね、と言ってもらえたんですよ。
つまり、引受保険会社が同じカードを持っていると手続きがスムーズに運ぶわけです。ちなみに3枚のカードの引受保険会社は以下の通り。
- デルタスカイマイルアメリカン・エキスプレス・カード 損害保険ジャパン日本興亜
- エポスカード 三井住友海上火災
- MileagePlusセゾンカード 損害保険ジャパン日本興亜
なお、もし1と3のカードでカバーできる疾病治療費を超えてしまった場合には、2のエポスカードの金額も合算できますが、その手続についてはキャッシュレスでなく、いったんこちらで支払った後、あとから請求するという形になるそうです。
いまのところ、1+3の金額で済みそうなので、私たちには何も煩雑な手続きがいりません。全部、アメックス側でやってくれます。それも、MileagePlusセゾンカードと引受保険会社が同じだったから。
MileagePlusセゾンカードはユナイテッドのマイルが貯まるカード。デルタスカイマイルアメリカン・エキスプレス・カードはデルタ航空のマイルが貯まるカード。もしかしたら航空系は引受保険会社が同じ損害保険ジャパン日本興亜が強いのかもしれません。
ということで、もしクレジットカードを複数枚持つなら、万が一を考えて引受保険会社がどこかをチェックするのも大事だと思いました。
航空券と空港までの足は別々のカードで支払おう
自動付帯と利用付帯の金額の違いについてこれまでまったく意識していませんでしたが、今回の経験から、カードの使い分けが必要だなと痛感しました。
旅行代金というのは、航空券だけではなく、空港へ行くまでの公共交通機関も含まれます。成田へ行くバスや電車でクレジットカードを利用すれば「利用付帯」になるので、デルタスカイマイルアメリカン・エキスプレス・カードの場合、疾病治療費の上限は300万円になるわけです。自動付帯よりも100万円多い。この差は大きいです。
なので、航空券と空港へ行く公共交通機関の代金は別々のクレジットカードで支払った方が絶対にいい。次回からは必ずそうしようと思いました。
今回の経験からの結論
病気やケガなんてしないのが一番です。でも、うちのダンナのようにいつそういう事態に直面するかもしれません。用心は必要です。準備は欠かせません。
最後に、海外旅行に持っていくクレジットカードについて私からアドバイスするとすれば
- 年会費無料で海外旅行保険が自動付帯のエポスカードは海外旅行者には絶対おすすめ
- 複数枚持つなら、合算のケースを想定して引受保険会社が同じカード同士だと手続きがスムーズ
- すぐコールセンターにすぐつながって、家族にもほぼ同等の海外旅行保険が適用になるアメックスゴールドカードはやはり高いだけの価値はある
ただし、3は会費が高いので、マイルを貯めるとか特定の目的がない場合には、別のゴールドカードでもいいかもしれないです。2の条件をもとにいろいろ調べてみることをおすすめします。
とっても良い記事をありがとうございます。1点、アメリカン・エキスプレスのプロパーカード(アメックスゴールド、デルタアメックスゴールド、他)には他のカードの保険発動条件より劣後している部分があります。
具体的には、他のカードが「公共交通」利用で保険が発動するのに対して、アメックスはand条件で「日本の出入国にかかる」「時刻表に基づく」、という2条件も同時に充足しなければならないんです。
つまり、日本からの(日本までの)国際線の航空便や、日本発(日本までの)クルーズ船、その他パッケージツアー、など3点です。
損保ジャパン日本興亜のアメックス担当につい2週間ほど前に聞いた情報なので間違いないかと。
ただ、日本の出入国に関係しなくても、例えばアムステルダムまで日本初飛行機→ベルリンまでユーロ国内線→ベルリン初羽田行きの旅程で、アムステルダム→ベルリン間で「時刻表に基づく」航空便や列車に乗れば、「日本の出入国に関係」していなくても、決済の瞬間から保険適用されます。上記デルタアメックスゴールドなら、ユーロ国内線決済までは傷病保険200万円、決済後は同300万円です。
tkさん こちらこそ非常に有益な情報をありがとうございます!!勉強になります。
「日本の出入国にかかる」「時刻表に基づく」、という2条件があるとは。。。
今後の参考にします。
でも、正直、アメックスはいま住んでいるタイでは使えない店が本当に多くて、最近は出番を失いつつあります….