いますぐ旅行に出たい!旅心をかきたてる6つの書籍

映画や本を見て読んで、旅心にいきなり火がつく、なんて体験ありますよね。私はしょっちゅう。というか、常にそうした旅の起爆剤を求めては、「ああ、旅行に行きたい」とコーフンしては、行けない現実にぎりぎりしています。もう365日マッチポンプ状態。

今日、取り上げるのは、そんな旅ネタを求めてやまない私の心にぐさっと刺さった本や写真集。洋書がけっこうありますが、言葉は関係ない! 見ているだけで心がわくわく踊ってきますよー。

1.インペリアル航空のポスター集「Mapping The Airways」

インペリアル航空。それは現在のブリティッシュエアウェイズの前身。時代を感じさせるネーミングですが、ブリティッシュエアウェイズヘリテージセンターのアーカイブにあるポスターを集めた本がこちら。その名も「Mapping The Airways」。

これがステキなんですよ。

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ああ、自宅にこのポスターがほしい。

中はもっと欲しくなるポスターがたくさん紹介されています。

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いいなあ。飛行機に地球儀に交通路線図って理想的。色合いも構図もイイ。

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時代的にはあれですね。「カサブランカ」か「インディージョーンズ レイダース/失われたアーク」あたり。1930年代。旅情たっぷり。地図に描かれたルートマップを見ると、「インディージョーンズ」に必ず登場する「地図の上を赤線が走って、移動を表すシーン」を思い出します。

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これもまた大胆。書いてあることを読むと、時代を感じますね。「3日でインド」「8日でオーストラリア」。旅行するって大変なことだったんだ。

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こちらのポスターに出ている国名を見て、私が思い出したのは、アガサ・クリスティ。エジプト、イラク、ペルシャ、インド、北&南アフリカ。彼女はこういう国にこぞって旅行に出かけていたんじゃなかったっけ。インペリアル航空の上得意客だったに違いない。

ああ、ほしいほしい。本じゃなくてポスターがほしい。でも、とりあえず本がほしい。

Amazonで売っていますが、紙とKindle版、両方出ています。この手の本は紙で読みたい気もするけれど、多分Kindleの方がいつでも開いて、旅心に浸れる気がする。うーん、どっちにしようか。ただいま迷い中です。今度、東京に戻ったら、実物を見てみて考えよう。

2. ロンリープラネットの写真集「ULTIMATE TRAVELIST」

先日、クアラルンプールに行った際、立ち寄った書店で、LONELY PLANETが発行している「ULTIMATE TRAVELIST」を衝動買いしてしまいました。価格は日本円で約3200円。安くはないけど、全326ページオールカラーでこの値段は決して高くない と思います。

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中身は、LONELY PLANETが世界各地から選んだ「500 BEST PLACES」を写真付きで紹介したもの。最近、絶景シリーズとか秘境シリーズとかたくさん出ていますが、この本の何がすごいって、その写真。取り方が まったく日本的じゃないんですわ。もう大胆極まりない。

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これは70位にランクインしたグリーンランドの「Ilulissat Kangerlua」という場所。アングルがユニークすぎませんかね。

こっちもすごい。

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いつか行ってみたいと夢見ているボツワナのオカバンゴの写真です。カバの生息地として有名なオカバンゴですが普通、この顔を撮るかな。強烈だよ。

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こちらはブラジルのパンタナルのページ。写真はオオハシですよ。特徴のある鳥だから、ここまでクローズアップしたんでしょう。くちばしカットするなんざ、潔すぎます。

大胆といえば、↓もあっぱれ。南アフリカのクルーガーナショナルパークの写真です。キリンの親子を撮ったものですが、まあ、子キリンの可愛いこと、お母さんのでかいこと。それを見事に表している写真に脱帽です。

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こんな場所もBEST500に選ばれていました。バチカン美術館です。

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この螺旋階段を見て思い出すのは、映画「ゴッドファーザーパート3」。確か、司教をここから落として殺した場面があったはず。やはりこのアングルから撮りたくなるよね。

とにかく、ページをめくるだけで楽しめる「ULTIMATE TRAVELIST」。行きたいところがますます増えちゃいますが、机上の旅を楽しむにはもってこいの一冊だと思います。オススメ!

3.そのものズバリ、「旅に出たくなる地図 世界」

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これは、基本的には世界各地の地図なんですが、いろいろな切り口の特集が面白い。

例えば、作品の舞台と文豪ゆかりの地を訪ねるヨーロッパ文学の旅とか。旅に出たくなる地図

女性に人気の英国コッツウォルズの原風景だとか。

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世界自然遺産の旅、という切り口もありました。

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ガイドブックの初めの方のページ(グラビア、地図)などをひとつにまとめたような本、といえばいいのでしょうか。オールカラーで248P。コスパいいと思います。

4.子ども向け「THE TRAVEL BOOK」は大人も楽しめる

昨年、ニュージーランドに旅行に行ったときに書店で見かけて衝動買いしてしまった本、THE TRAVEL BOOK(Lonely Planet刊)。たまに手にとって見るのですが、つくづくよく出来ているなあと感心してます。

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オールカラーで全212ページ。208の国の旅先としての見どころを簡単に紹介しているんですが、何がいいって、どの国にも1ページずつ充てていること。 つまり、アメリカだろうが、スワジランドであろうが、マケドニアであろうが、すべて割いているスペースは同じなんですね。

それから、それぞれの国で紹介している内容が、独断に満ちている!これも楽しい。当たり障りのない内容じゃないんですね。

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例えば、アメリカだったら、ハンバーガーの故郷とか、冷戦時代のロシアとの宇宙開発戦争とか、ファーストアメリカン(ネイティブインディアン)とか、グラウンドホッグデー(2月2日に催される天気占いの行事)をピックアップしてます。なんだそれって内容じゃないですか。書いた人の興味や関心のありようが伝わってきて、新しい発見がたくさんある。

ちなみに日本はこちら。

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紹介されているのは、ふぐ、温泉に入るニホンザル、うどん、猫島、積ん読、桜。積ん読を入れるってどういう魂胆^^; 「日本語には他の言語にはないようなファンタスティックな言葉がいくつもある」「その一つが積ん読」だって。そうか、そうか。

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下は、グルジア改め、ジョージアのページ。グルジア文字って、ビルマ文字に似ていることもわかります。小籠包のような食べ物があることも。img_4015

「lonely planet kids」とあるので、子ども向けのガイドブックなんでしょうけど、これは大人にも楽しめる。いやいや、頭が固くなってきた大人にこそ向いているガイドブックでは。

ちなみに値段はニュージーランドドルで26ドル(約1900円)。日本のAmazonで買っても2219円。このボリュームでこの内容を考えるとすごく安い。コストパフォーマンスは◎。旅の妄想が好きな人にはオススメです!

5. 出かける前に旅先のお勉強ができる!? 「流れ図 世界史図録ヒストリカ」

山川出版社が出しているだけに、お勉強要素ばっちり。歴史の教科書のビジュアル版です。

ローマ帝国の盛衰とキリスト教の成立・発展という項目を読んでからイタリアに行けば、少し、違った目で観光地を回れそう、な気がしますな。

トルコに行くんだったら、下のこのページが良さそう。オスマン帝国支配の動揺と西アジア。

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付け焼き刃だっていいじゃないか。その後忘れたっていいじゃないか。大事なのは好奇心だ。

この本は336P、オールカラーで860円。値段を確認したときには驚きました。いいの、いいの、この値段で。山川出版社つぶれない?と思っちゃいました。つぶれないようにみんなで買おう。オススメです。

6. 言語から旅先を選ぶこともある!? 「翻訳できない世界のことば」

今年の4月に創元社から発売された翻訳書「翻訳できない世界のことば」は、他の言語にどうにも翻訳しづらい言葉を100個、集めて紹介した本です。この中身が最高にイイ。

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いまちょっと手元にないので、中のページの画像を紹介できないのですが、本の中に、スウェーデン語の「 RESFEBER 」(レースフェーベル)という言葉が紹介されていまして、これが最高なんですよ。

RESFEBER 」とは、「旅に出る直前など、不安と期待が入り混じって、絶え間なく胸がドキドキする状態」を指す言葉なんですね。いやあ、もうすごくわかる。あの気持ち、あのテンション、あの高揚感やかすかな不安感がないまぜの気分って、表現しようとするといくつも言葉を重ねる必要がある。でも、重ねたところで、結局うまく表現できない。

ところがスウェーデンなら、この言葉を使えばいいわけです。「旅行、行くの?」「そう。明日出発。だからもう、いままさにRESFEBER さ」と。

こんな言葉があるということはスウェーデンの人は旅行が好きなのでしょう。きっと旅を愛する国民性なのね。がぜん、親近感がわきます。気になります。良い言葉を知りました。

このほかにも印象深い言葉がいくつもあって、ピックアップするときりがないのですが、イヌイット語の「IKTSUARPOK」(イクトゥアルポク)も気に入りました。意味は、「誰かが来ているのではないかと期待して何度も何度も外に出て見てみること」。雪に閉ざされた生活を送るイヌイットがいかに来客を待ちわびているか、その心情がひたひたと伝わってきます。

取り上げている言葉から、その言語を使っている国の自然や文化、人々の志向を浮き彫りにした意欲的な本。これもまた、旅心をかきたてる本の一つです。

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