大都市の空港に行くと、あまりのフライトの多さにびっくりします。いったい、どれだけのエアラインが乗り入れて、どれだけここで乗り継ぎをしているんだろう。
その一端がわかるランキングがありました。世界最大規模のデジタル航空情報会社OAGが実施している「メガハブ国際指標」です。
さて、どの空港がハブとしての機能が高いのか。紹介します。
6時間以内にどれだけ乗り継いだかを示す指数
OAGの「メガハブ国際指標」とは、「世界の主要国際ハブ空港の有効性を評価している指数」。
この指標は、「空港を利用するフライトの最終目的地数に対する、乗継可能な国際線定期便数の比率によるもの」。わかりづらい。この表現なんとかなんないのかな。
対象になるのは、その空港におけるインバウンドとアウトバウンド間の6時間以内に乗継可能な便総数(インバウンド、アウトバウンドのいずれか、または両方が国際線の場合)。要するに、国際線同士の乗り継ぎ、もしくは国内線と国際線との乗り継ぎの両方をカウントしています。
乗継の最大時間枠は6時間。チャーター便ではなく、定期のみが対象で、LCCの乗継も含まれます。
このメガハブ国際指標で高く評価されている空港というのは、国際線の乗り継ぎがしやすい空港だということ。6時間以内の乗り継ぎだったら、まあ許容範囲でしょう。
さて、ランキングの結果は….。
大英帝国の栄光、いまだ健在!?
1位は想像がついていたのですが、やはりそのとおりでした。ロンドンのヒースロー空港です。
以下、ベスト10です。
- ロンドン・ヒースロー空港(英国)
- シカコ・オヘア空港(米国)
- フランクフルト空港(ドイツ)
- アムステルダム・スキポール空港(オランダ)
- トロント・ピアソン空港(カナダ)
- ロサンゼルス空港(米国)
- アトランタ空港(米国)
- シンガポール・チャンギ空港(シンガポール)
- パリ・シャルルドゴール空港(フランス)
- ジャカルタ・スカルノ・ハッタ空港(インドネシア)
1位のヒースロー空港はなんと、もっとも忙しいときにはら6時間以内に出発可能な乗継数(国際線)は6万6000便におよんでいました。ダントツの1位です。
ちょっとわけわからない数字ですよね。6万6000って何?
2位のオヘア空港はユナイテッド航空の拠点。最近、乗り継ぎ数を増やしている空港なのだとか。
3位と4位は、なるほどという顔ぶれでしょう。トップ4のうち、3つまではヨーロッパの空港。ヨーロッパはフライト、エアラインが混じり合うエリアであることを実感します。
5位はカナダのトロント・ピアソン空港がランクイン。トロントには行ったことがないのですが、相当、大きな空港だと思われます。ちなみに、ピアソンというのはトロント出身でカナダの第14代の首相、レスター・B・ピアソンにちなんだネーミング。
6位、7位に再びアメリカの空港が入っています。それぞれ、アメリカン航空とデルタ航空の本拠地。
8位はアジアの空港からランクインしたシンガポールのチャンギ空港。乗り継ぎ便数からいうと、東南アジアのハブはいまだチャンギといっても差し支えないようです。
10位にもアジアの空港がランクイン。なんとジャカルタのスカルノ・ハッタ空港です。ちょっと意外。中国の空港が来ると思いましたが、ジャカルタすごい。
ベスト11以下もチェック!
せっかくなので、ベスト11〜20を全部、見てみましょう。
11. ミュンヘン空港(ドイツ)
12. クアラルンプール空港(マレーシア)
13. 香港空港
14. バンコク・スワンナプーム空港(タイ)
15. ソウル・仁川空港(韓国)
16. ニューヨーク・JFK空港(米国)
17. イスタンブール空港(トルコ)
18. ドバイ空港(UAE)
19. マイアミ空港(米国)
20. メキシコシティ空港(メキシコ)
アジアからはクアラルンプール、香港、バンコク、ソウルがランクイン。妥当な線だと思います。国際線の乗り入れ多いですからね。
イスタンブール空港はもうちょっと上位に来ると思ってました。というのも、ここを拠点としているターキッシュエアラインズはいまものすごい勢いで就航都市を増やしているから。
今年、イスタンブール空港は新しくなって大幅に拡張されたので、イスタンブールは今後もっと上位に上がりそう。
定期便のキャパシティ (座席数)では世界一を誇る北京空港は32位。キャパをまだ活かしきれていないようです。ここも将来に期待!でしょうか。
日本の空港はいずこ
気になるのが日本の空港ですよね。
ベスト20には一つもランクインしていませんでした。成田や羽田はいずこ?
実は、羽田空港は21位、成田空港は42位という結果でした。
ちょっと意外ですよね。OAGの資料には理由が出てないので、ここからは私の推察ですが、成田空港は「成田を最終目的地」としている便は多くても、「成田で乗り継ぐ便」は少ないと思います。
以前であれば、北米のエアラインは成田からアジアに以遠権で飛んでいましたが、どんどんそうした便はカットされている。逆に、北米のエアラインは成田から羽田にシフトしていますよね。それがランキングに影響しているのではないでしょうか。
ともかく、日本の空港、特に成田は「乗り継ぐ空港」としてあまり利用されていないことがよくわかります。
乗り継ぎを前提としていないから、空港としての活気もチャンギや香港、仁川などの空港と比べると今ひとつ。いやもっとか。乗り継ぎ客に空港を楽しんでもらうという発想がない。
場所的には極東のどんづまりなので、うまくやればもっと乗継便も増えて、ハブとして機能すると思うのにもったいない限りです。
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